夜9時、(中略)小輪刈。
小輪刈「(次は一緒に帰る人探そ…)」
そんな小輪刈の背後に忍び寄る影。
お化け「美味しそうな匂いがする」
声に驚き振り向く小輪刈。足がもつれて尻餅をつく。背後にいたのは女。顔は髪に隠れてて見えない。
お化け「いいなァ…食べたいなァ…」
そう言って近づいてくる女。
小輪刈「(食べっ…!?なんっ…!!何だコイツ…!?)」
パニックになる小輪刈。逃げ出せない。
小輪刈の前でしゃがみ込む女。
お化け「いただきます」
末路を悟ってギュッと目を閉じる小輪刈。
お化け「いや〜マジ美味いわ」
メロンパンを頬張る女。
小輪刈「え…!?」
うっすら目を開ける小輪刈。
小輪刈「あっ…そのメロンパン…!!」
小輪刈「まさか…!?ない!夜食にしようと思って買った個数限定販売のメロンパンがない!!」
鞄を確認する小輪刈。
お化け「そうなの?そりゃお前運がよかったのな」
小輪刈「え、そんなことは…(いや運は悪いだろ!!変質者に夜食食われて…)(ってか食べたいってそっちのことだったのかよ!!)」
心の余裕が戻ってきた小輪刈。
小輪刈「(これ以上関わる前に逃げよう…)」
小輪刈の背後から声をかける女。
お化け「いや、ホント運がよかったよ」
お化け「ホントはお前の方を食べに来たんだから」
髪の隙間からお化けの凶悪そうな顔がチラ見え。
小輪刈「えっ…(ゾッ)」
お化け「でも今夜はメロンパンの美味しさに免じて見逃してあげるよ。気をつけて帰りな」
そういうと闇に消えていくお化け。
再び道にへたり込んでしまった小輪刈。
小輪刈「な、なんなんだアイツ…」
ちなみに塾生の間ではしばらく限定メロンパン争奪戦争が起きた。
みたいなんでどうかな。